不尽水姫‘ふつきのみひめ’

とても残念なことに、PJCS本戦は大爆死に終わってしまいました。私自信が様々な面で至らず、最終レートは1400を切ることに…


とても悲しいですが、それでもやはりポケモンが好きなので、初の全国大会の記念に使用構築の振り返りと今回の研究テーマの解説を行おうと思います。


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自分の最も好む得意な戦闘スタイルで戦えばベストが出せると考え、「サイクル特化」をコンセプトにした雨パを組みました。キングドラ以外の全てのメンバーがサイクルを回せるようにできており、盤面を整えることに長けています。


攻撃の要である「ニョロトノの手助けを交えたキングドラ」は変えず、この並びが苦手な相手を処理でき、サイクルを回す以上の性能を持ったガオガエンとゴリランダーまでは確定。ここまでは同業者のイアルさんやオプーナさんが先に結果を残してくれていることもあり、特に説明は要らないかと思います。


残った枠で意識しなければいけない点は、


・対カプレヒレへの更なる補強

・トリルブリザポスを捌く要素

フシギバナ晴れパへの回答


なので、ここを埋めるべく残りの2体を吟味する必要があります。ここからは今回のレントラーとファイヤーの採用経緯を例に、キングドラ軸の雨パーティを考える際にポイントとすべき事項を一般化していきます。



○グドラ雨でカプレヒレを対策する時にゴリランダーを採用する場合の注意点


トリル自体を対策するのは案外簡単で、予選を突破した雨ザシアンの様にドータクンクレセリアの類の補助ポケモンを採用するだけで楽なのですが、このルールでは攻撃の要をキングドラに全振りする都合上レヒレとの遭遇率が高く、ザシアンもいないため処理の難易度が上がっています。 仮にトリル対策にドータクンを採用しても、レヒレを処理する能力は無いため寧ろ瞑想の起点にされてしまい、これを倒すためにはゴリランダーの選出が固定化されます。

しかし、レヒレがいる試合毎にゴリランダーを選出するのも無理のある話です。"レヒレに強くてもレヒレ以外には弱い"がゴリランダーの構造上の特徴なので、相手はレヒレを逃しながら隣のダイマエースで容易にゴリラを処理できるという問題があります。レヒレと同居するポケモンはサンダー、ファイヤー、ブリザポス、メタグロスなどが主流でしょうか。ゴリラでは絶対に敵いませんね。

これらからゴリラを守らないと最終的に相手レヒレを倒せなくなるわけですが、ゴリラを逃すために、ここで先程挙げたトリル対策ポケモンガオガエンを受け出して解決を試みるとしましょう。


受かってないですよね? ガエンなら或いは…といった具合ですが、ドータクンでは出てきて1発受けた所で自ら盤面を解決する手段を持っておらず、せいぜいトリルを返すだけかサイドチェンジの択を見せるくらい。隣にはキングドラが固定されると考えていいですが、流石のグドラでも単体では相手ダイマエースを倒すのに2ターンかかる上に、隣でゴリラに圧力をかけているからという理由で動いた相手レヒレに攻撃されてしまいます。結果として「ゴリラを選出していても実質レヒレに弱くなる部分が増える」という問題点が発生するので、トリル対策補助ポケモンの採用はトリルを止めること以外の役割が乏しく、上記の欠陥を助長する行為と言えます。


この「ゴリラでレヒレを止めようにも隣のポケモンのせいで思うように牽制しきれず、結果的に後手に回ってしまう問題」を解決するには、


・レヒレへの有効打を持つ

・レヒレ以外の攻撃を基本的に耐える

・疲弊した状態からレヒレの攻撃を一発耐え得る


という条件を概ね満たすサイクル向きのポケモンを採用し、ゴリランダーとの選出の分担を図ることで対応範囲を広げるのが正解ではないかと考えました。


この条件を満たすポケモンレントラーです。


サンダーを受けれる。ガエンと組んでブリザポスに威嚇を入れまくる。それでいてしっかりレヒレに大ダメージを与えることができる。

耐久は偶に物足りなく感じてしまう時もあるものの、ちゃんと努力値を振れば大抵の攻撃は問題なく耐えられる上に、威嚇とバークアウトからのボルトチェンジで、デバフによる起点作りから速やかに退場することが可能です。

ゴリランダーが苦手とする主要なポケモンに対し、レントラーは受け出しをすることができるのです。


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持ち物は確定数をずらせるオボンの実。


配分はそれっぽく耐久振りで、ASは伸ばしていませんが、素早さはともかく火力面での目立った不足は見受けられませんでした。


技は ワイルドボルト、バークアウト、ボルトチェンジ、馬鹿力


馬鹿力はナットレイの類に対し出来るだけ手数が欲しいことや、対ブリザポス時に終盤にてトリルが切れた状態で対面したブリザポスに対して最後の押し込みをすること、緊急ダイマを切った場合にダイナックルを撃てること、横にいることが多いゴリラガエンが恩恵を受けることなどを考えて採用。細かい所だと2〜4割削れた邪魔なレジエレキをさっさとどかしたい時に使うことが割とありました。


レントラーがいればゴリラを出し辛い時に代用がきくので、レヒレになるべく隙を見せずに立ち回ることができます。両方選出できた時にはレヒレに好き勝手されることはほとんどなくなります。

トリルブリザポスに対してはガオガエンと共に選出し、陰湿オタクサイクルで威嚇を入れまくりながら、グドラがダイドラグーンを選択できる隙を作っていきます。立ち回りでトリルを抑えられるため、特殊な型のポケモンを採用する必要がなくなります。


欠点があるとすれば、"遅い"ことでしょうか。

耐久値を落とすと色々と足りなくなるので素早さにほとんど振れず、かといって遅いと相手のレヒレを上から縛れていないため、仕事をさせてしまいます。上から攻撃できるようになれば倍強くなるのですが、耐久ラインをなるべくキープしながら大半のレヒレ以上のスピードを得る配分を考える力と時間は今の私にはありませんでした。


そこ以外ではとても優秀なポケモンだったので、もっと評価されていいと思います。上記の構築の問題点のうち、2/3を1人で埋めてくれていますからね。私が勝てていたらレントラーが日の目を浴びる可能性があっただけに残念です。


まとめ


・ゴリランダーを採用選出するだけだと取り巻き次第ではレヒレを抑えきれず、根本的な解決にはならない

・ゴリラとの補完としてのレントラーの可能性

レントラー自身のクッション性能と起点作り性能の高さ

・対レヒレと対トリルを兼ねる役割を持てる



*対レヒレの汎用対策


ここまでの説明は、あくまで初手にゴリラを置いてレヒレを倒そうとした場合の話です。その選出があまり上手くいかないことは説明してきましたが、もっと楽に勝つ方法はないものかと思う方もいるでしょう。


実は雨グドラにはレヒレに楽に勝つ方法が存在しているのです。


それは「初手トノグドラ」。手助け雨ストリームはサマヨールクレセリアをも一撃で葬る火力を秘めているため、レヒレと先発で対峙しても、レヒレを無視しながら隣を殴り続ければいい話なのです。レヒレの横にいるその様なポケモンが誰かを思い出すと、ゴリラを狩れるポケモンたちであることが分かります。


つまり、レヒレを放置しながら隣を2体以上消し去れば、キングドラが倒されたとしても十分に仕事ができ、ゴリランダーで容易に後始末ができる盤面が出来上がっているというわけです。


ダイマキングドラはレヒレの攻撃を+1ダイフェアリー以外全て耐えるため、最低でも2回の行動保証がついています。(初手で対面しない場合も考えるともっとある)  逆に相手のポケモンダイマサンダー程度であれば大抵ワンパンできるので、1ターン1殺が可能なことが多いです。

この様にゴリラが苦手なポケモンをトノグドラで速やかに始末することで、レヒレがいても比較的有利に試合を進めることができます。

ワンパンされてしまうためレヒレが見えた瞬間に選出を諦めていた7世代から、ダイマックスにより耐えながら攻撃可能となった8世代。


これは「キングドラのカプレヒレの克服」と言えるでしょう。


但し…  守るや交換を駆使して絶妙にターンを枯らされると、この戦法は瓦解してそのまま敗北します。そこまで理解した上で、相手のレベルや行動の意図をなるべく考えながら立ち回らないと"本当に雨で勝てる人"になることは保証できません。

例えば、、、

初手 サマヨール+レヒレがくる。手助けストリームでサマヨをワンパン、レヒレのムンフォでグドラが半分削れる。

2手目 サンダーが来る。相手がダイウォールをする確率が極めて高いため、こちらもウォールを合わせてムンフォを防ぐ。

3手目 手助けストリームでサンダーを倒し、ムンフォでグドラが落ちる。

4手目 ゴリランダーで相手を牽制しながらレヒレの隣に猫+滅びの歌で詰める。


の様な工夫が当たり前にできなければならないので、一定以上のレベルの人相手に簡単に勝てるというわけではありません。(正直上記の試合展開すら状況としてはやや温くて、もっと上手にこちらの嫌なことをされる場合がそれなりにあります)




フシギバナ対策枠に求められる条件


ゴリラガエンを取り巻きにした雨パはとにかくフシギバナが重いため、最後のポケモンはこれに強く、ダイマ適正のあるポケモンが望ましいです。


バナ対策枠を去年から色々と試してみて分かったことは、バナに強くても"倒した後に来るウーラオスに弱いとあまり意味がない"ということです。これが最も顕著に分かるのが、私が昔から愛用していた「思念の頭突き持ちメタグロス」です。雨+グロスの相性の良さは誰よりも使っていた私が一番よく知っていますが、全人類ウーラオスを使っている現環境では成り行きで簡単に倒されてしまうことが多く、個人的な評価は下がっています。


この様な失敗例ではなくウーラにちゃんと勝てるポケモンを探した結果、Gファイヤーに辿り着きました。元々耐久が高く、バークアウトを採用すればガオガエンと合わせて相手を弱体化してからファイヤーかグドラをダイマさせ、バナの被害を最小限に抑えながら切り返すことができます。


また、この手の雨パの弱点として「ドラパルトが重くなる」ことがあります。これめちゃくちゃありがちです。メタグロスを採用しているとこの点においても重大な欠陥を生んでいることが分かります。


ですがファイヤーならドラパルトにも強く出れるので、適切であることが分かります。

ウーラオス、ドラパルト、ゴリランダーなどを役割対象とするため、Bに振ると強いのではと考えました。その結果「HB眼鏡ファイヤー」が誕生することに。


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持ち物:拘り眼鏡

性格:図太い

調整:H197-(252)-A-B145(172)-C129(68)-D146(4)-S112(12)

HB A252玉ドラパルトの手助けドラグーンを最高乱数切り耐え 陽気252ウーラオスインファイトを2発耐え

技:燃え上がる怒り、暴風、バークアウト、エアスラッシュ


指+ドラパを想定して、全体攻撃で倒せるようにしたいという思いから始まっています。手助け燃え上がるで、相手が余程ガチガチに耐久振りでない限り倒せるので、晴れと指ドラパの両方に回答を持ちつつ、素の耐久を上げることで非ダイマ運用も可能になっています。当初は決まった構築にしか出さない予定でしたが、HB眼鏡が使い勝手のいい型すぎて様々な構築に対して選出していました。意図せずしてプレイングの幅が広がり嬉しい限りです。



まとめ

・バナ対策のダイマポケモンはバナに強いだけではダメ

・霊悪が一貫しがちなので、ウーラオスやドラパルトに勝てるようなポケモンを採用・調整



○終わりに


言いたいことは大体言いました。今年の大会は運の悪さが目立ちあり得ないほど負けてしまいましたが、普通に負けていた試合も結構あったので、まずはそういうのから減らせるよう修行して地力を上げたいと思います。

構築に関しては、この構築を真似するというよりは、取り組み方考え方を参考にして雨パを組んでもらいたいです。大会では負けたけどボチボチ説得力はついてきていると思うので、信用可能な記事ではあると思います多分。構築を真似するのは少し違うかな〜とも思いますが、それはそれとして配信で使っていただけると普通に嬉しいので、興味のある方は配信する前に知らせてくれると助かります。


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今自分がやるべきことは地道に修行しつつ、まだ使ってないポケモンを考察したりして楽しむことなので、自分のペースでトロピカっていこうと思います。例え一度酷く負けても"水は尽きず"ってことです。


ではまた来年頑張っていきましょう〜♪